高校の遺伝子実験

San Jose Mercury NewsのRace Only Skin Deepは、サンノゼの高校で生徒が自分たちの遺伝子を検出する実験をしてみたら、意外なことがわかった、という話。

実験の内容は、PCRという手法を用いて遺伝子を増殖、その後ゲルの中を通して調べる、という定番のものだが、私が高校生の頃だったらきっと博士論文になったような内容である。生物という学問は随分進歩したんだなぁと感動。高校生がこんな実験をしているのか。大人の皆さん、心せよ。今から世に出てくる若者は我々よりずっと進歩した学問を身につけているのだよ。

さて、実験の結果の方は、写真に写っているようなバラバラな人種の17人の生徒が、aluという遺伝子マーカー(しるし、と思ってください)を共有することがわかった、というもの。このマーカーは、数千年前に中国か台湾のどこかで、とある一人に起こった変異だが、それを持つ人には特になんの影響もない。「隠しカード」みたいなものである。

「alu遺伝子を持つ生徒たち」には、意外にも白人も一人交じっている。世界中に遺伝子をばら撒く中国人恐るべし、だ。

笑ってしまったのは、写真のキャプション。中国人とベトナム人のハーフ、白人、インド人、黒人と日本人ハーフ、中国人、などなどとなっている。「白人」というところに注目。他はみんなもっと細かい単位なのに、いきなり「単なる白人」です。たとえて言えば、女の子4人と男の子1人が写っている写真があって、「よしこちゃんと、みかちゃんと、さなえちゃんと、きょうこちゃんと『男子』」みたいなキャプションだ。というのも、この高校のある学区の生徒の人種構成はアジア系56%、ヒスパニック19%、白人19%、アフリカンアメリカン5%ということで、マジョリティがアジア人だからである。

さらには:
For centuries, scientists have studied the physiology, facial features and brain size of various populations to prove genetic differences among so-called “races.” Geneticists who spent years mapping the human genome, however, discovered just the opposite: Modern humans vary by only 0.2 percent of their genetic material — and none of those variations correspond with definitions of race.

There is still debate over the fact that racial groups respond differently to diseases, as well as medications. Most geneticists attribute human differences to environmental adaptations, not race.

ということで、人間の個体間の遺伝子の差異は0.2%しかなく、その違いには人種の違いの原因になるものはない。人種間の特定の病気のかかりやすさのさも、遺伝形質ではなく環境要因のせいだ、という説もある、ということ。

うーむ、環境要因オンリーとは、にわかには信じがたい。

先日、メキシカンスーパーに行ったら、異様に中が冷え冷えとしていて、私はダウンジャケットを着ていたにもかかわらず、がくがく震えながら買い物をしていたのに、周りでは、老若男女が半そでやらノースリーブやらで、平気な顔でウロウロしている。日本人の友達に言ったら、「メキシコ人は白人の血が混じってるからじゃないか。白人は進化ツリー上、かなり昔にアジア人とは枝分かれしたに違いない」と力説。体力に関しては、本当に私もそう思うこと多いんですけどねぇ。ま、全く非科学的な発想ですが。

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